■20180314/進化を続ける加藤明日香さんの初ソロライブ!
2022年6月12日ライブレポート
端麗な容姿もさることながら、若草を踏むような優しいコンパス感、しなやかな強さを感じさせる空気。観る者の心を包み込むような踊りが好きで、よく観に行っている。というか、いちばん観ている踊り手さんだ。
彼女を見始めたころは、彼女が踊りに込めた思いがよく伝わってきていた。様々なイメージが膨らむ素敵な踊りだった。
しかし最近はイメージよりも、踊りそのものに見入っていることが多い。そういう時は、舞台から伝わる彼女の中のコンパスと、彼女の「フラメンコ」に引き込まれている時だ。観続けている間も、彼女の踊りはより魅力的で充実したものへと進化を続けているのだ。
そんな明日香さん初のソロライブ、楽しみでないはずがない。客席には応援に来たバイレ仲間や、彼女のお師匠様の姿もあった。
同席の皆と歓談しながら待ち、やがて照明が落とされる。そして彼女が舞台に立った時。
いつもと違う--?
最初に受けた印象が、それだった。
1曲目はプレセンタシオン。羽織ったブラウンのマントンの下は、クリーム色のワンショルダー、ドレスのような衣装だった。
今までの明日香さんにはない、やや露出度高めの衣装だ。露わになった健康的な肩が照明を浴び、美しく光る。
発する空気も、彼女らしい親近感はあるものの、今までにない澄んだ輝きを放っているように思えた。
しかしそれらは、すぐにブラウンのマントンに隠されてしまう。
そこに、ゾクゾクした。
とびきり美しい宝石が、閉ざされた扉の鍵穴の向こうに見えているような。そんなゾクゾク感を覚えたのだ。
今までにない衣装と露出度。
今までになく透き通った空気。
そしてこのゾクゾク感。
このソロライブで、「新たな加藤明日香」が見られるーーそんな予感がひしひしと湧いてきた。
2曲目はカンテソロ。パワフルで雄々しいダニエルの声が空間を作り、陰影深いクーロの声が光と影を作り出す。舞台に世界が現れたところで、3曲目のグアヒーラへ。
バックの音に合わせてピシピシとアバニコが開閉し、優雅さと機敏な動作が入り混じる。その機敏さは、2/20のライブでオスカルに鍛えられて踊ったハレオの動きを思わせた。
ハレオでの苦心談はご自身も書かれていたが、その時の努力は確かに活きていた。明日香さんが進化し続けていることを実感させてくれたグアヒーラだった。
休息を挟んでカンテソロ、彼女の3曲目はガロティンだった。白地に黒の水玉という、これまた初めて見る衣装だ。
コルドベスなしで、衣装の美しさを活かして優雅に、楽しげに踊る。その姿は本当に新鮮だったし、とても愛くるしい1曲となっていた。2部に入って落ち着いてきたのか、彼女らしい優しい空気も出て来ていた。
そしてバイオリンの三木さん、ギターの柴田さんの漫才混じりのムシコスを経て、ラストの曲へ。
※この記事は、2018年3月16日にFacebookに掲載した記事を再構成したものです。
ライブレポートアルハムブラ, クーロ・バルデペーニャス, ソロライブ, ダニエル・アズカラテ, 三木 重人, 加藤 明日香, 柴田 亮太郎
Posted by S.Hori
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