🔰ライブを楽しむ3つのマナー
2024年5月18日🔰カンタン知識でフラメンコを楽しむ!
フラメンコのライブには、他のジャンルのライブと違って独特のマナーがあります。これを守らないと他のお客さんや出演者に迷惑がかかることもありますので、必ず守るようにしてください。
と言っても、そんなに難しいことではなく、堅苦しいものでもありません。マナーを守って、皆で気持ちよくライブを楽しみましょう!
「手拍子」は厳禁!
意外に思われるかもしれませんが、フラメンコのライブで手拍子は厳禁です。
フラメンコのライブに慣れていない方は、楽しくてつい叩いてしまうこともあるでしょう。おまけにステージの後ろで控えているバイレやカンテが手拍子を打っているのですから、「なんでダメなの!?」という疑問を持つかもしれません。
実はステージの後ろで出演者たちが打っている手拍子は「パルマ」といって、リズムを取る楽器の役割を持っています。バイレはこのリズムに合わせて踊り、カンテも「パルマ」に合わせて歌います。
つまり、この「パルマ」によって、舞台がひとつにまとまっているのです。
そこへ、外からテンポの違うリズムの手拍子が入ったら、バイレは混乱してしまい、調子を崩してしまいます。また、フラメンコを見慣れている観客の方も、ステージのパルマに合わせてライブを楽しんでいますので、調子がずれてしまいます。楽しいからといって不用意に手拍子を打つと、会場全体の迷惑になりますので、絶対にやめましょう。
楽しい時は「ハレオ」をかけよう!
ライブが楽しい! 楽しくて楽しくて何かしたい! そんな思いにかられた時は、手拍子の代わりに「ハレオ」をかけましょう。
「ハレオ」とは「掛け声」のことで、日本風に言えば「合いの手」です。好きな時に自由に入れることができます。
観ていて「おっ!」と思った瞬間、バックの演奏と踊りがビッタリ合った瞬間、音楽が止まると同時に決めポーズをとった瞬間、ハレオを入れたくなる瞬間は、ひとつの曲にたくさんありますので、ぜひ入れてみてください。
とはいえ、フラメンコを見慣れていないと、どこで入れたらいいかわからないかもしれません。入れすぎるとうるさがられますし、やはりタイミングも大切なのです。そんな時は、会場に少なからずハレオを入れる人がいますので、それに合わせて入れるのもよいでしょう。
ハレオがライブを盛り上げる!
ハレオには、自分が楽しむだけでなく、バイレを盛り上げるという効果もあります。お客さんが楽しんでいることがわかるのですから、ハレオがかかればバイレも高揚し、ますます乗って踊るようになります。
「楽しんでいることをハレオで伝える」→「バイレが楽しんで踊る」→「さらにハレオが白熱する」…
フラメンコのライブは、そんなサイクルで盛り上がっていきます。観客側も観るだけではなく、ハレオによってアクティブに参加することで、ライブが熱い展開になっていくのです。
ハレオの言葉の解説はこちらの記事で掲載していますので、ぜひ一度目を通して、積極的にハレオをかけてみて下さい。ただし、ホールでの公演やコンクールなどでは、ハレオを入れないほうがいい場合もあります。その時々でご判断をお願いします。
写真は「撮影ルール」を守って!
近年、スマートフォンが普及し、誰でも手軽に写真の撮影ができ、SNSなどの投稿で広く流布できるようになりました。
華やかな衣装を着たバイレが舞うフラメンコのライブでは、当然写真を撮りたくなりますし、ネットを通して友人に見せたくなるのもわかります。その一方で写真に関しては、著作権や肖像権といった様々な問題もあります。
マナーとルールを守って、撮って楽しく、撮られる方にも喜んでもらえる撮影を心がけるようにしましょう。
撮影のルールはお店によって違う!
写真の撮影に関しては、まずお店が決めたルールを守って下さい。お店によってルールが違い、プロのカメラマンなどお店の許可を得た者以外は撮影禁止、というところや、出演者の許可を取ればOK、というところ、また普段は大丈夫でも主催者の意向で禁止になる場合もあります。
以下に、主なタブラオでの撮影ルールを掲載します。撮影を考えている時は、お店に行った時に確認を取り、注意事項などがある場合はきちんと守るようにして下さい。
・四谷三丁目 カサ・アルティスタ:撮影可
・浅草橋 ラ バリーカ:撮影可
・高円寺 カサ・デ・エスペランサ:確認中…
・恵比寿 サラ・アンダルーサ:上演中の撮影はいかなる場合も禁止。終演後の集合写真等はOK。
・門前仲町 ぼたん:ライブによりますが、ミルフラ!企画ライブは録音・動画は禁止、写真はOK
なお、上記はあくまで「写真」に関するお店のルールです。動画撮影と録音もお店によって対応が違うので、必ず確認して下さい。
恵比寿 サラ・アンダルーサの撮影許可証です。これがないと撮影できません。
スマホで撮影する時はフラッシュとシャッター音に気をつけて!
ライブを観ていてたまに見かけるのが、フラッシュを炊いて撮影する人と、シャッター音を出して撮影する人です。
おそらくどちらの方もスマホで撮っているのでしょう。いいシーンを思わず撮りたくなって、鞄から出したはいいものの、設定を変えるのを忘れてついやってしまうようです。
フラッシュはいかなる場合でも厳禁です。光はお店全体に広がって他のお客さんの迷惑になりますし、バイレさんも気が散ります。撮影する前に必ずフラッシュをオフにしましょう。
写真はiPhoneの設定画面です。撮影時は必ずオフにしましょう。
シャッター音は、あまり大きくなく、一瞬ならばそれほど気になりませんが、iPhone系の連写音はかなりうるさいので気をつけて下さい。文句を言われても仕方のないレベルです。
シャッター音を即席で消すには、機種にもよりますが、音が出るスピーカー部分を指で塞ぐという方法もあります。
ライブは目で見て、音を聞いて楽しむものです。フラッシュの光とシャッター音はお店中に広がりますから、撮影時は十分に気をつけましょう。
一般のお客様の映り込みに注意!
ライブを撮影していると、出演者ではない、一般のお客様のお顔が映り込むことがあります。これをこのままインターネットやSNSにアップしてしまうと、“肖像権の侵害”となることがあります。
もし、撮影したお写真に他のお客様が映っていて、どうしてもアップしたい場合は、トリミングでお客様が入らない範囲に調整したり、スタンプやボカしで消す等の工夫をしましょう。
スマホで気楽に撮影でき、SNSなどにもすぐにアップできる時代ですが、いったんネットにアップした情報や写真は、コピペなどされると永遠に消すことができなくなる怖い一面もあります。
せっかくの楽しいライブで、あとあと他のお客様とのトラブルにならないよう、撮影には細心の注意を払うようにしましょう。
Posted by S.Hori
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