■20191116/20代のフラメンコを盛り上げる! ノヴェンバー・イレブンス学生ライブ企画!!2019年11月18日2024年2月15日ライブレポート 芸術の秋もたけなわの11月。著名な先生方の公演があったり、大学の学園祭でサークルのライブがあったり、いろいろな場所とシチュエーションでフラメンコが盛り上がる時期でもあります。 11月16日、爽やかな秋晴れの日に僕が足を運んだのは赤坂・ノヴェンバー・イレブンス。お目当てはこのお店でお昼に開催される企画「学生フラメンコライブ Vol.8『特別公演』」。タイトルの通り、サークルや部活でフラメンコを習っている現役の大学生が主役です。 当日のフライヤーです。さまざまな大学から学生さんが参加し、開催されました。 実はこの企画、ちょっと特別な企画なのです。ブッキングを担当されている伴さんがある時、お店に出演しているフラメンコの先生の方々から「20代の生徒が全然教室に入ってこないんですよ」との相談を受けたそうです。じゃあフラメンコをやっている学生を刺激して卒業後も続けてもらおう! ということで始まったのだとか。 バックにプロの奏者を付け、良い刺激となるようゲストにプロのバイレも迎えて踊っていただく。プロと同じ舞台で、ソロで踊ることの楽しさを体験してもらい、卒業後もフラメンコを続けるモチベーションとしてもらう。見て楽しんでもらうだけではない、特別な意義があるのです。 もう8回も続いていることから、お店と伴さんがしっかり応援、サポートしていること、また多くのお客様に支持されていることがわかります。実はS.Horiも拝見、撮影させていただくのはこれが3回目となります。今回舞台に立った皆さんも、とても素敵な踊り手さんでした! 田村静香(中央大学)/グァヒーラ トップバッターは、2回目の拝見となる田村さん。綺麗な動作で踊りをまとめながら、強めに打つ足が印象的でした。そのせいか、「ちょっとリラックスが足りないなー」と後で語っていましたが、持ち前の愛らしい容姿もあって、舞台の空気がとても和んでいました。 藤澤茉利佳(津田塾大学)/タラント 「本番が一番楽しかった!」と語った藤澤さんは、東大のサークルに通ってフラメンコを習っているそうで、師匠の関口京子さんも応援に来ていました。ほれぼれするほど艶があり、しっとりしながらもクドくない。こんな空気はプロでもなかなか見られません! 池内亜美(東京外国語大学)/ティエント 重みや迫力、思い切りの良さなど、観る側を引きつけるまざまな魅力を併せ持っていました。荒いところはありますが、それもまた学生さんの良さ。伸びしろありまくりで、本格的にフラメンコ道に進んだら相当いい踊り手さんになりそうな予感がします。 大和田佳乃(清泉女子大学)/ソレア・ポル・ブレリア スラリとした容姿のグアッパな踊り手さん。流れで美しく見せつつ、決めるところではグッと来るような迫力がありました。終演後にお話を聞いたら、フラメンコを始めたのは大学からとのこと。いやいやどうして、そうとは思えない美しさでした! 坂本弘輝(國學院大学)/ファルーカ 坂本くんも2回めの拝見です。ファルーカらしいキビキビとした動作はもちろんですが、元々リズム系の楽器をやっていたためか、カンテの斎藤綾子さんの圧力のある歌に溶け込んで踊っていた印象でした。しばらく活動はお休みするそうですが、ぜひ復帰して欲しいですね。坂本くんは10月18日に開催された「恋フラ」の撮影にも、浴衣姿で参加していました。 https://mirufla.com/2019/10/24/20191018koifla/ 鴫原南(神田外語大学)/アレグリアス 南さんも拝見するのは2回目です。動きがしっかりしていて鮮やかなので、舞台の上で非常に映える踊りを展開していました。姿勢や形が決まっているのでいい写真が多く、安心して見ていられます。以前新体操をやっていたと聞いて、なるほど! と納得でした。 朱雀はるな/ソレア ラストを締めたのはプロのバイレ、はるなさん。ゆっくりした動作が醸す静謐な空気、激しい箇所の高密度の迫力。それらが入り混じりながら展開するソレアは、呼吸を忘れるほど魅入ってしまう魅力がありました。いやもうさすがです! 学生フラメンコ、と言葉だけ聞くと、経験が浅そうなイメージを持ちがちですが、とんでもない誤解です。サークルあるいは部活で週2回2時間、といった密度で練習し、若いので吸収も早い。本番ではミスっても守りに入らず、むしろガンガン攻めてくる。しかも上で書いたように、それぞれ個性が際立っている上、伸びしろも大いに感じられるという。多くのライブを見てきたS.Horiでも、十分に楽しめるほどの力量を皆さんお持ちなのです。 終演後、ゲストのはるなさんもこう言っていました。「振りだけ踊っているかというとそうではなくて、ちゃんとパルマも打てている。皆さんすごくお上手ですし、レベルが高いですね。これからが楽しみです!」まったくもって同意です。今回のライブもこれからが楽しみな方ばかりでした! 20代は就職や結婚など、さまざまなことで人生が忙しくなり、フラメンコを習う人が減少するのは仕方のない部分もあります。しかしこうしてフラメンコの楽しさを知り、またフラメンコから生まれた絆を大切にする方々にはぜひ続けてほしいですし、例えいっとき離れてもぜひまた戻ってきて、日本のフラメンコを盛り上げて欲しいと願います。これからも、皆さんの人生とフラメンコを応援していますよ! ライブレポートKinta Suzuki, ノヴェンバー・イレブンス, 学生フラメンコ, 斎藤 綾子, 朱雀 はるなPosted by S.Hori