■20201120/スペイン人アーティストの音の中で個性とセンスが輝いた素敵ライブ!

2020年11月29日フラメンコ, ライブレポート

11月中旬辺りから、新型コロナウイルスの第3波が深刻な状況となってきました。しかし、予約したからには行かねばなるまい! と、11月20日に向かったのは西日暮里・アルハムブラ。もちろん感染防止策もしっかりやって訪店です。

この日はスペイン人ギタリスト、エミリオ・マヤの企画ライブで、カンテに最高峰と言われるマヌエル・デ・ラ・マレーナも出演。本場スペインの音とセンス、魂の中で、実力と個性にあふれる踊り手さんたちが舞台に立ちました。皆さんを拝見するのが久しぶりだったこともあり、ライブを心から堪能させていただきました!

脇川愛/タラント

現在ぐんぐん進化中の若手バイレさん。マヌエルの逞しい歌の中で、生命力あふれる活発な踊りを見せてくれました。舞踊団経験があるせいか見せ場を作るのもうまく、ビシッと厳しい表情を見せたり輝く笑顔になったりと、見どころポイント多数の踊りを披露!

小谷野宏司/カンティーニャス

表情豊かで親しみあふれるシーンの多い宏司君ですが、音もなくスッと繰り出す小さな動作、軽やかで勢いのある動作、それらすべてがマヌエルの歌とエミリオのギターに自然に溶け込んでいて。しばらく見ない間に、彼の中のフラメンコがより深まっているように思えました。良かったです!

塚原利香子/ソレア

灼熱の魂を細身の身体に宿したバイレさん。出だしで凛と立つその姿から、もう熱が滲み出ていました。踊りを積み重ねていくに従い熱も高まっていき、終盤は暴風のように舞台で荒れ狂っていました。振りの速さ、勢いと熱に当てられて、踊りが終わった後はついビールに手が伸びたほどです。

土方憲人/ソレア・ポル・ブレリア

ご存知、大活躍中の若手バイラオール。じっくり動いてエミリオとマヌエルの音を前に出したかと思えば、次の瞬間には音に乗ってグッと激しく攻めてくる。絶妙な緩急で観る者の心を揺さぶってくれました。大胆かつ繊細なモダンな振りとポーズもカッコよく、撮影していて楽しかったです!

川﨑裕子/アレグリアス

裕子さんはパリージョを手にして舞台へ。細かく打たれる音の中で軽やかに舞う様に、見ていて心が躍ります。カラフルなファルダを跳ね上げながら舞う華やかなシーン、シレンシオの翳りのある表情。印象的な場面が数多く、その美しい踊りとパリージョは、ライブ全体を通して素敵なアクセントとなっていました。

小池朱美/サンブラ

フィンガーシンバル“クロタロ”(呼び名がたくさんあるそうです)をつけて、朱美さんらしい異国情緒あふれる曲を披露。出だしのマヌエルと絡むシーン、独特のテンポで刻まれるエミリオのギター。そんな中で、透き通ったクロタロの音を響かせながら踊る朱美さんの身体に、静かな情熱と、異国のお香の匂い、遠い国に置き去られた哀愁が漂っているように見えました。

舞台の上で弾ける色とりどりの個性を、大きく暖かな空気が包んでいる。こうして原稿を書きながら思い返してみると、そんな感覚を伴ってライブの光景が蘇ってきます。上演中は撮影に夢中でしたが、無意識のうちに舞台に流れているものを感じ取っていたのでしょう。

大きく暖かな空気は、エミリオのギターであり、マヌエルの歌であり、またフラメンコを愛する人達の想いかもしれません。いやー、フラメンコって本当にいいもんですね。これからも素敵ライブとの出会いを楽しみにしています!


フラメンコとともに生きてきた、2人のアーティストの演奏があってこその素敵ライブでした。