S.Horiが思うフラメンコの魅力
2022年6月8日🔰カンタン知識でフラメンコを楽しむ!
2019年5月26日、鎌倉の名刹・建長寺にて、滝沢恵さんの舞踊生活40周年を記念するリサイタイルが開催されました。厳かな本堂にコンパネを敷き、戸を締め切って暗くして、扇風機が熱気をかき回す中で行われました。
カンテ2人、ギター2人、バイオリン1人と、めったにないほど音も充実していました。空気も普段観ているタブラオのライブとは全く違い、薄暗い本堂で舞う恵さんの周囲には折り重なる音と、重い空気がうねっていました。
その空気がまた凄まじかった。人間性を直視する映画や文学を読んでいる時に感じる、重くて熱を帯び、時々ヒリヒリ来るような空気に似ていたのです。
踊りを見ているうちに、うねる空気の向こうに喜び、悲しみ、苦悩、さまざまな感情と情景が浮かんできました。それは本当に、彼女が過ごした40年の時を観ているようでした。
フラメンコには、その人の人生が投影されるとよく言われます。滝沢恵さんのリサイタルでも、確かに彼女の人生が投影されていました。映画やドラマ、小説などで他人の人生を体験できるのと同じように、フラメンコでも踊り手さんの人生を垣間見ることができるのです。
20190120@西日暮里 アルハムブラ/滝沢 恵(B)/踊り手さんが楽しんで踊っていると、不思議なことに若く見えたり、超絶美人に見えることがあります。この時は恵さんの若いくて愛らしい表情をカメラがとらえていました。
しかし、それだけに留まらないのがフラメンコです。
パワフルな踊りに圧倒されることもあるでしょう。繊細な踊りに心奪われることもあるでしょう。ライブによって、踊り手さんによって、舞台の上で毎回異なる世界が展開します。
時にバイレさんの人生を感じ、迫力に飲まれ、ひしひしと伝わってくる想いに涙する。そういったことを総合して、僕はフラメンコを「エンターテインメント」と思うようになったのです。
フラメンコってなんだろう? その問いに正解はなく、不正解もありません。
あえて言うなら、「心で楽しむべきもの」。
難しいことは考えず、心を裸にして向き合う。観る。感じる。そうすることで、その人なりの「フラメンコ」が見えてくるはずです。
当サイトは、フラメンコをまだ観たことがない方、観たことはあるけど楽しみ方がわからないという方に、より興味を持っていただき、接していただくことを目的として始めました。
奥深いその魅力や、心震わせるライブを心から楽しんでいただくためのお役に立てていただければ幸いです。
「ミルフラ!」運営者:S.Hori
Posted by S.Hori
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