■20190930/行ってみた! 即興全開カサゲツライブ!
2024年2月15日ライブレポート
以前から興味津々だったライブに行って参りました! ライブのタイトルは「LOS LUNES FLAMENCOS」。四谷三丁目のカサ・アルティスタで毎週月曜日に行なわれることから、「カサゲツ」と呼ばれています。
このライブの特徴は、リハが一切ないこと。全てがぶっつけ本番、即興です。提案者は、同じく即興でプロが踊る木曜日の企画「カサモク」こと「JUEVES FLAMENCO」でメインで踊っている梶山彩沙さん。
実は本場スペインのタブラオライブではリハをしません。舞台に立つ踊り手さんは、誰もが即興で踊り、かつ、観客を満足させるだけの実力を持っている人たちです。音や空気に反応し、引き出しに蓄えた振りからその場に合ったものをすぐさま出して紡いでいく。フラメンコの踊り手として、“目指すべきところ”であることは間違いありません。
スペインのコンクールで賞を取った彩沙さんが、本物と同じタブラオフラメンコを日本でも!と考えるのは当然のこと。カサモクと違うのは、カサゲツにはリハなしライブに慣れていない人が勉強のため、経験を積むために出演する、ということです。
日本のタブラオではリハをやり、やることをだいたい決めてから舞台に臨みます。だからしっかりまとまったライブになるわけですが、もしそれをとっぱらってしまったら…??
彩沙さんいわく「それができるメンバーを集めている」とのこと。また「実力の150%が出る時もあれば30%で終わってしまうこともあります」とも語っていました。
何が起こるかわからない! そんな期待に胸膨らむカサゲツのライブ。さてさてどんなライブになったのでしょうか?
カサゲツを観ていて思ったのは、踊り手さんの空気がいつも観ている時と違う、ということ。しっかり音を聞きながら踊っているのはもちろんですが、いつもより緊張していたり、必死だったり、そんな空気が感じられました。
タブラオで流麗な踊りを見せてくれる皆さんのそんな姿を見るのは、意外だった反面、面白くて新鮮でした。大きく外すことはもちろんありませんでしたし、ギターやカンテと探り合っているシーンなどもあって、次はどうなる! どう来る! と、観ていてワクワクできました。
そんなライブの感想を、踊り終わった踊り手さんに聞いてみると…
「こうやろう、って枠を決めて出たんですが、全然そんな枠に収まらなくて、もうどうしようかと」
「途中で破綻した(笑)」
「ぜんぜんできなくて悔しい。今夜は眠れない」
なるほど…タブラオライブにガンガン出ている方々でも、即興の舞台は難易度が高いようです。お客さんとして観に来ていた踊り手さんからは「怖い、私こんなのできない!」という声も。
ただ、これも慣れや経験なのでしょう。ラストの荻野リサさんはもう堂々と、自分の世界を作って踊っていました。タブラオで踊る人なら誰もが“目指すところ”、それをまざまざと見せつけてくれました。
「またチャレンジしたい!」出演者が口々にそう語ったカサゲツは、いろんな意味で刺激的でした。馴染みの踊り手さんがいるフラメンコファンの方や、フラメンコを習っている方、特にタブラオで踊っている方は、楽しめて勉強にもなると思います。ぜひ一度観てみてください!!
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