
カサゲツを観ていて思ったのは、踊り手さんの空気がいつも観ている時と違う、ということ。しっかり音を聞きながら踊っているのはもちろんですが、いつもより緊張していたり、必死だったり、そんな空気が感じられました。
タブラオで流麗な踊りを見せてくれる皆さんのそんな姿を見るのは、意外だった反面、面白くて新鮮でした。大きく外すことはもちろんありませんでしたし、ギターやカンテと探り合っているシーンなどもあって、次はどうなる! どう来る! と、観ていてワクワクできました。
そんなライブの感想を、踊り終わった踊り手さんに聞いてみると…
「こうやろう、って枠を決めて出たんですが、全然そんな枠に収まらなくて、もうどうしようかと」
「途中で破綻した(笑)」
「ぜんぜんできなくて悔しい。今夜は眠れない」
なるほど…タブラオライブにガンガン出ている方々でも、即興の舞台は難易度が高いようです。お客さんとして観に来ていた踊り手さんからは「怖い、私こんなのできない!」という声も。
ただ、これも慣れや経験なのでしょう。ラストの荻野リサさんはもう堂々と、自分の世界を作って踊っていました。タブラオで踊る人なら誰もが“目指すところ”、それをまざまざと見せつけてくれました。
「またチャレンジしたい!」出演者が口々にそう語ったカサゲツは、いろんな意味で刺激的でした。馴染みの踊り手さんがいるフラメンコファンの方や、フラメンコを習っている方、特にタブラオで踊っている方は、楽しめて勉強にもなると思います。ぜひ一度観てみてください!!
