初めて会った店で、再び彼女を観ることになった。
もう2年半くらい前になる。四谷三丁目のカサ・アルティスタに、複数の知り合いが出演するライブを観に行った。地下にあるお店のトイレに入ると、上階からカコカコと固いものを打つ音が聞こえてきた。踊り手さんがビルの入口付近でウォームアップのために足を打つ音が、コンクリートの壁を通して響いているのだ。
階段を登っていったら、彼女がいた。
内田好美さん。
そのライブの少し前にエミリオ・マジャが開催したオーディションを見事に通過していて、知り合いから「好美さんうまいよ!」との話は聞いていた。僕自身も、一度観てみたいと思っていた踊り手さんだった。
そんな出会いで始まってから、何度彼女を観ただろう。こういう時Facebookは便利なもので、いつ観てどんなライブだったかすぐに振り返ることができる。
「実力があり、艶があり、ハートもある踊り手さん」
「(アレグリアスの)中盤以降、なぜか彼女が心奪われる超絶美女に見えるという😍」
「軽快かつ強く、突風のようにビシビシ決まる上体と足は見惚れ聞き惚れる程でした」
観る度に何か書かずにはいられない、素敵な踊り手さんだった。
僕が観はじめたのは、ちょうど彼女が東京で踊り始めた時期で、当時は集客に協力するためによく観に行っていた。
しかし、それももう過去の話だ。2020年1月12日、四谷三丁目のカサ・アルティアスタで開催された「内田好美 受賞記念ライブ」では、彼女1人でお店を満席にしてしまったのだから。
2019年、6月に第2回全日本フラメンココンクールで入賞、8月に日本で最も大きなコンクール・新人公演で奨励賞を受賞。1年間に2つの賞を取った内田好美さんのライブが始まった。
