■20191205/仕事を終えて高円寺、応援している踊り手さんのライブを堪能!

2022年6月10日ライブレポート

しっかりしたコンセプトやテーマを持ち、何度も合わせて作り込んだライブや公演と真剣に向き合うのも楽しいですが、スケジュールの合う踊り手さんを集めて開かれる通常のライブを気楽に楽しむのもいいものです。

12月5日、仕事を終えて向かったのは、高円寺のタブラオ「カサ・デ・エスペランサ」。この日は今応援している踊り手さんが3人揃った、僕にとってとてもスペシャルなライブでした。バックもカンテ2人、ギター2人と充実していて、もう楽しめる予感しかしないという。

エスペランサはしばらくご無沙汰していましたが、長く通っているお店なだけに、店内に入るとやはりホッとします。胃袋におなじみのタパスプレートと“命の水”が染み渡り、知り合いとの会話も弾んでテンションも徐々に高まっていき。

時計が8時を回って、気楽で素敵な心踊る時間の始まりです!


出演者/バイレ=内田好美、灘辺佳代子、松本美緒 カンテ=川島桂子、柏山美穂 ギター=尾藤大介、長谷川暖

松本美緒/タンゴ・デ・マラガ、グァヒーラ

石井智子スペイン舞踊団に所属していて、大きな公演などにも出演しているグアッパさん。タブラオにあまり出ないこともあって、彼女を観るのを楽しみにしていました。

ホールで活動する舞踊団にいるためか、大胆で、大きめの空気を発して踊るのが特徴で、存在感も抜群です。1部のタンゴ・デ・マラガでは悲哀たっぷりに、2部のグァヒーラではエレガントに、華やかに踊って観客を魅了していました。まだお若いので、これからの活躍に期待です!


1部/タンゴ・デ・マラガ


2部/グァヒーラ

灘辺佳代子/アレグリアス、ティエントス

観るたびに上手くなっていく進化中の踊り手さんで、日本のフラメンコ界最大のコンクール・新人公演にもチャレンジ中。気持ちがよく伝わってくるのが彼女の魅力で、一昨年の新人公演のグァヒーラでは、背中に「やったるでー!」との気合が見て取れるほどでした。

この日も以前観た時より上手くなっていて、細かい機微の心地よさ、大胆な動作の思い切りのよさ、そのバランスが絶妙! 1部のアレグリアスは心浮き立ち、2部のティエントスでは見入ってしまう。そんな素敵な踊りを見せてくれました。


1部/アレグリアス


2部/ティエントス

内田好美/タラント、ソレア

6月には小松原庸子スペイン舞踊団主催のコンクールで入賞し、8月には新人公演で奨励賞を受賞と、今年大いに飛躍した踊り手さんです。

観はじめたのは2年ほど前ですが、彼女の場合「上手くなっていく」というより「深まっていく」といったほうがいいかもしれません。観るたびに新たな“内田好美”が舞台に現れ、そのたびに彼女の感性のより深い部分を観ているような、そんな気持ちにさせられるのです。

この日はちょっと写真の撮り方を変えてみたのですが、1部のタラント、2部のソレアともに、暗いシーンでその美しさが映えていました。ソレアの激しいシーンは打って変わって気迫と迫力にあふれています。

静かなシーンで伝わってくる情感、激しいシーンでの圧倒感。本当に魅力的な踊り手さんで、また次の舞台を観るのが楽しみです!


1部/タラント


2部/ソレア


2部/ソレア

最後のブレリアではカンテの川島桂子さんが引っ張り出されて踊るシーンもあり、ライブは暖かな空気に包まれつつ盛り上がって終了となりました!

平日だったので終了後は早く帰るつもりでしたが、結局終電近くまで長居してしまいました。しかしそれも楽しかったが故。出演者の皆様、お店のスタッフの皆様、素敵な時間をありがとうございました!