髙野 美智子/ソレア

序盤の静かなシーン。後ろではカンテの正由美さんが声を絞り出し、寂しげな世界を作り出します。
ラストを飾ったのは美智子さん。序盤はソレアらしく静かな所作で、寂寥とした空気で舞台を染めていきます。すっと腕を出し、そしてゆっくりと引く。そんな動作のひとつひとつが透き通って見え、つい心奪われる美しさに満ちていました。
しかし…中盤以降はもう! 踊り慣れている原田さんのギター、伊集院さんのしっかりしたパルマもあってノリノリに。こうなるともう彼女は無敵です。変幻自在の足と動作で観客を幻惑し、そしてキラキラと輝きを放つ。彼女が心から楽しんで踊る姿が舞台の上にありました。

まるで演劇を観ているようなシーンも。

ふと笑顔を見せる美智子さん。どこかに切なさを残しながらも、踊りは熱と激しさを増していきます。