心地よい熱気を残したまま、ライブは終演を迎えた。ヘススが世界を作り出すところから始まり、最後は全員がその世界の主役となっていた。それぞれが輝きを放ち、ヘススと屋良有子という踊り手によってひとつにまとまって、舞台全体が大きな光の世界となった最高のライブだった。
最初に書いたように、このライブは屋良さんのチャレンジでもあった。ラ・ヴィダでの笑顔、シギリージャの気高い姿と想い溢れる表情。それらを見れば、この舞台でいかに屋良さんが盛り上がっていたかがよく分かる。
最上の音と空気の中で舞い、想いを伝え、彼女はヘススと共に、見事に観客を別世界に連れて行った。そんな彼女を、ヘススはこう語っている。
「有子はいいものを持っている。本番で出すものが素晴らしい!」
最高潮に高まった本番の彼女は、ヘススさえ感銘させたのだった。
終演後、屋良さんにこの日の感想を聞いてみた。答えは一言だけだった。
「楽しかった!!」
その笑顔は、舞台に立ったヘススに負けないくらいに輝いていた。

