■20211123/全国から若人が集結した公演「Pasion ~若きフラメンカたち~」を沼津で観覧!
2022年6月12日ライブレポート
2021年11月23日、去年の話で恐縮ですが。
フラメンコを見始めて12年目(たぶん)にして初めて、観覧のため遠征して参りました。フラメンコのライブは都内のタブラオやホールで観ることが多く、行ってもお隣の神奈川県がせいぜいでしたが、今回はなんと! 静岡県の沼津まで足を運びました。
出不精でめんどくさがりのS.Horiにそうまでさせた公演のタイトルはコレです、「Pasion ~若きフラメンカたち~」!
発起人はバイラオーラの久保田晴菜さん。各地のホールで様々な公演に出演したり、また「めざましテレビ」のコーナー「キラビト!」に出演しフラメンコの魅力を伝えたり、各方面で大活躍中で、2021年9月のミルフラ!企画ライブにもご出演いただいています。
(晴菜さん出演の「キラビト!」の映像はこちら!→https://www.youtube.com/watch?v=ScAju8a3eXg)
文化庁の「ARTS for the future!」事業に採択されたことをきっかけに「コロナで打撃を受けているフラメンコを若い力で盛り上げよう!」とこの一大イベントをスタートさせたそうです。
晴菜さんの呼びかけに、35歳以下の若手のアーティストたちが全国から集結。さらにカンテの川島桂子さんらベテランアーティストもゲストとして参戦し、総計31名という大所帯に発展。濃くて分厚い公演になるであろうことは、もう間違いなしです。
僕が「この公演に行く!」と決めた理由はといえば、「好きな踊り手さん、応援している人がいっぱい出ているから」。えぇ、単純です(笑)。
それからFacebookでも書きましたが、若いアーティストの皆さんがこれだけの規模で集まるのは恐らく初めてでしょう。何かを一緒に作ることで“絆”が生まれ、この公演を起点として若い人たちがどんどん新しいことをやり始めるのではないか、この公演が未来に向けたターニングポイントになるのではないか、ならば観るっきゃない! そんなふうに思ったからです。
到着した会場の沼津市民文化センター小ホールでは、入場を待つお客様が長蛇の列を作っていました。“小ホール”と言っても500人以上入るらしく、それがほぼ埋まるほどの盛況ぶり。もうこの時点で「やったね!晴菜ちゃん!」と心の中で拍手です。
もちろん!公演もたっぷり楽しませていただきました。以下そのレポートです!
公演写真提供/芦澤利紀
※掲載している写真の無断転載は固くお断りいたします。
ヴィンクーロ ~呼応~/オープニング
オープニング「ヴィンクーロ ~呼応~」は暗い舞台の中央で、スポットライトに照らされた出水宏輝さんが踊るシーンからスタート。実は出水さんは新人公演で拝見していて、その時「めっちゃオーラ出てる!」と感動させられたので、僕としてはいきなり心を掴まれた感じです。
ビシッと決めてくれた出水さんに続いて、瀬戸口琴葉さんと沖真悠子さんが高らかに靴音を響かせ、晴菜さんと岡村友美さんはバストンを巧みに操り、ヴォダルツ・クララさんと脇川愛さんはパリージョで聞かせる、といった具合に、スポットの中でそれぞれが音と舞と技を披露してくれました。
このオープニングは、フラメンコを知らない人に向けて「フラメンコってこういうことをする踊りなんですよ~」と暗に説明しているようにも思える納得の構成でした。
そしてここから濃ゆい演目が続きます!
第2部
ロマンセ/瀬戸口琴葉
当日お昼に恵比寿でライブをこなしてから会場に駆けつけたという琴葉さんは、椅子を使ったロマンセに挑戦。開演前のコメントは「数年前にクルシージョで習って以来頭に染みついていたロマンセにチャレンジします。今まで勇気がなくて手を出せませんでしたが、タブラオのライブとはまた違った雰囲気に出来たらと、毎日グルグル考えています。見てくださる方の記憶に少しでも残るようなものになるよう、一生懸命頑張ります」。
物語のような起承転結を心がけて構成したとのことで、確かに、椅子に座って静かに始まり、圧のある音に翻弄され、しかし早く強い足を打ちやがて融合していく――そんな流れが感じられました。途中、歌振りのところでは何かを語りかけているようにも見え、これからの進化に期待したい一曲でした。
若い熱とフラメンコへの想いでホールがいっぱいになった公演は、無事に終了しました。最後に降りた幕が再び上がり、晴菜さん、出演者の方々が挨拶をする間、ずっと拍手が鳴り響いていました。
拍手は今も、鳴り響いています。僕の胸の中で。
本当に素晴らしい公演でした。ホールでのフラメンコの公演は、たいていテーマや世界観があって舞台芸術として作り込まれますが、「Pasion ~若きフラメンカたち~」はそれとは一線を画します。
細かい細工は一切なし、「これが我々が愛しているフラメンコです!」をドーンと舞台の真ん中に乗っけて、直球しかも剛速球勝負。だからわかりやすいし心に刺さる。
若い人だからこそ出来た公演だと思うし、フラメンコを観るのが初めての人を含めて、観客のほとんどは楽しみ、満足して帰途についたのではないでしょうか。
今思い出しても、舞台のみならず観客席まで、ホール全体が熱気に包まれていたように思います。これだけの公演を企画、実行し実現させた久保田晴菜さん、出演した若手の皆さん、彼らを支えたベテランアーティストの方々、そしてスタッフの皆様、ありがとうございました!沼津まで観に行ってよかったです!
どれだけ良かったかと言うと…
こんな長い記事を書いても苦にならないほどです(笑)。
さてこの公演ですが、次の日に撮影専用の日を設け、映像としてより完成度の高い動画を作成して現在配信を行っています。客席からは味わえない、息遣いまで聞こえそうな映像の数々を、クリアな音でお楽しみいただけます。
僕も視聴しましたが、あの時の興奮と感動が鮮明に蘇るだけでなく、当日はわからなかった新たな発見があったりして、公演を見た方にもオススメです!
下のリンクからPR動画が観られますので、まずはそちらをご覧になってみてください。配信を観たい!という方は、専用ページにてチケットをご購入の上ご視聴ください。
※チケットの販売は終了しました。PR動画はご覧になれます。
【PR動画はこちら】
https://www.youtube.com/watch?v=U-WPdR9Em4o
【配信のチケットのご購入はこちら】https://t.livepocket.jp/e/pasion
そしてぜひ!
未来を切り開く若きフラメンカたちを、応援してあげてください!
※公演の映像配信は2022年2月13日(日)23:59まで、チケットのご購入期限は2022年2月13日(日)22:00までとなります。
「Pasion ~若きフラメンカたち~」出演者リスト
【踊り】
久保田晴菜、ヴォダルツ・クララ、瀬戸口琴葉、佐藤陽美、脇川愛、小谷野宏司、出水宏輝、沖真悠子、岡村友美、JURINA、荒濱早絵、小澤明日美、吉田芽生、山崎桃子、池野美結、池内亜美、池田遥香、高嶋朋愛、宇佐美瑛琉
【カンテ】
小松美保、望月恵理
【ギター】
徳永康次郎、菅沼聖隆、福嶋隆児、本田生海
【カホン】
坂本弘輝
●ゲストアーティスト
【カンテ】
川島桂子、永潟三貴生
【ギター】
尾藤大介
【バイオリン】
三木重人
【パーカッション】
朱雀はるな
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